解説

認定こども園で主幹保育教諭等の専任化の調整を受けたとき、療育支援加算ほかの加算はどうなるか(公定価格FAQ No.114・132・370)

認定こども園で「主幹保育教諭等の専任化により子育て支援の取組を実施していない場合」の調整を受けると、療育支援加算とチーム保育加配加算など他の加算が取れるかを、留意事項通知と公定価格FAQ(第32版)のNo.114・132・370で整理します。

専任化の調整を受けたとき、療育支援加算は取れず、他の加算は取れる場合がある

認定こども園には、主幹保育教諭等を専任させる体制をとっていない施設に適用される減算の調整があります。留意事項通知の名称は「主幹教諭等の専任化により子育て支援の取組を実施していない場合」の調整です。

この調整を受けている施設は、療育支援加算の「主幹保育教諭等を補助する者を配置する場合」は算定できません。一方で、チーム保育加配加算など保育教諭等の加配に関する加算は、代替保育教諭等の配置などの条件を満たせば取れる場合があります。

この記事は、公定価格に関するFAQ(第32版、令和8年7月24日時点)のNo.114・132・370を、留意事項通知とあわせて整理したものです。

療育支援加算そのものの区分と認定は療育支援加算の認定と区分の確認、専任化に関する加算の要件は主任保育士専任加算・主幹教諭等専任加算の「地域の子育て支援活動等」の要件で説明しています。

調整の仕組み:何を満たさないと調整を受けるか

留意事項通知の認定こども園の部分は、次の要件を満たさない施設に、この調整を適用すると定めています。

主幹保育教諭等を1人配置し、その人を専任させるための代替保育教諭等を配置すること。通知に列挙された事業等を複数実施すること。保護者や地域住民からの教育・育児相談、地域の子育て支援活動等に積極的に取り組むこと。

調整の適用に関する通知の定め
確認すること通知の定め
調整を受ける施設上の要件を満たさない施設
兼務の扱い主幹保育教諭等がクラス担当や学級担任を兼務することは適切ではなく、代理で行う場合でも、1月を超えて兼務が継続しているときは減算調整を行う
認定する者施設が所在する市町村。職員の充足状況の確認とあわせて、設置者からの申請(主幹保育教諭等1人の配置、相談・支援活動の内容、事業等の実施状況など)を確認する
要件に適合しなくなったとき適合しなくなった日の属する月の翌月(月の初日に適合しなくなった場合はその月)から調整の適用がないものとされる

専任化の対象となる「主幹保育教諭等」の職種は、FAQ No.129が示しています。幼保連携型認定こども園では、副園長・教頭・主幹保育教諭・指導保育教諭が対象です。幼保連携型以外の認定こども園では、副園長・教頭・主幹教諭・指導教諭・主任保育士が対象です。

副園長と教頭は、幼稚園教諭免許状・保育士資格を持たない者でも、一定の条件のもとで任用でき、専任化の対象とする場合も免許・資格の保有は要しないとされています。

No.370:療育支援加算の「補助する者」は、1号と2・3号のどちらかが調整を受けると両方とも算定できない

留意事項通知は、療育支援加算について、専任化の調整が適用されている施設は、加算の「①主幹保育教諭等を補助する者を配置する場合」の対象とならないと定めています。

No.370は、この調整が1号は受けていて2・3号は受けていないような場合に、2・3号だけ算定できるかを問うています。

答えでは、①の適用の有無は認定こども園全体(教育標準時間認定と保育認定)を通じて判断されます。そのため、1号と2・3号のどちらか片方が調整を受けるときは、両方とも算定できません。

調整を受ける区分と、療育支援加算①の算定(No.370)
調整を受ける区分療育支援加算①(補助する者)
1号が調整を受け、2・3号は受けない1号も2・3号も算定できない
2・3号が調整を受け、1号は受けない同じく両方とも算定できない
どちらも調整を受けない通知の他の要件を満たせば算定の対象

調整を受けていない区分があっても、加算①は施設全体で判断される

加算①の適用は施設全体で判断されます。一方の区分だけが調整を受けていても、他方の区分の分として①を算定することはできません。

加算①を申請する前に、1号と2・3号の両方で、専任化の要件(主幹保育教諭等と代替保育教諭等の配置、複数の事業等の実施)を満たしているかを確かめる。扱いが分からないときは、市町村に確認する。

ここで調整を受けないために必要な「複数の事業等」について、No.133は、一般型一時預かり事業と障害児に対する教育・保育の提供を、認定こども園全体で行っていれば、1号と2・3号の双方で実施していると取り扱うと答えています。

事業の一覧に乳児等通園支援事業が加わった点は、乳児等通園支援事業と複数事業等実施要件(FAQ No.287)で整理しています。補助する者の扱いは療育支援加算の補助する者と専門分野外の障害児を参照してください。

No.132:調整を受けても、他の加算が一律に取れなくなるわけではない

No.132は、専任化の調整が適用される場合に、加算を適用できないのかを問うています。

答えは二段で、どちらも加算が一律に取れなくなるとはしていません。1つ目として、専任代替教諭等が配置されていれば、専任化や複数の事業をしていないことを理由に加算が取れなくなることはありません。

2つ目として、代替保育教諭等が配置されていない場合も、直ちに加算が全く取れなくなるわけではありません。

2つ目の条件は、答えの中で具体的に書かれています。加算分(例:チーム保育加配加算)として位置付けている人員の一部または全部を代替保育教諭等として充てても、基本分単価で満たすべき職員数を満たすことが確認できること。さらに、加算の対象となる追加分の配置があること。

この両方があれば、それに応じた加算の算定は可能です。この扱いは「主幹教諭等専任加算等の取扱いについて」(平成28年3月4日事務連絡)を参照するとされています。

No.132の答えの整理(代替保育教諭等の配置の有無別)
状況FAQの答え
専任代替教諭等の配置が行われている専任化や複数事業をしていないことをもって、加算を取得できなくなることはない
代替保育教諭等の配置が行われていない直ちに加算が全く取れなくなるわけではない。加算分の人員を代替に充てても基本分単価の職員数を満たすことが確認でき、加算対象の追加分の配置があれば、その分の加算は算定できる

No.132は特定の加算を限定しておらず、例としてチーム保育加配加算が挙げられています。療育支援加算の①は、上のとおり留意事項通知が別に「調整が適用されている施設は対象とならない」と定めており、No.370もこれに沿った答えです。

そのため、この2つを混同せず、加算ごとの扱いを通知で確かめてください。

No.114:代替保育教諭等を非常勤2人にした場合と、1号・2・3号の調整

No.114は、代替保育教諭等として常勤1名と非常勤1名を配置することとされているが、非常勤職員を2人配置した場合に減算調整は適用されるかを問うています。

答えは、留意事項通知が代替教諭等として常勤職員1名と非常勤職員1名の配置を求めており、配置が満たされない場合は減算調整が適用されるため、質問の例では常勤職員1人の配置が満たされず、その常勤職員分の減算調整のみが適用される、です。

No.114の2つ目の問いは、主幹教諭等の専任化により子育て支援の取組を実施していない場合の調整が、どの区分にかかるかです。

答えは、1号部分と2・3号部分のそれぞれから減額調整が行われるです。

No.370は療育支援加算①の算定の可否を、認定こども園全体で判断するとしています。

調整の見直しを考えるときの確認の順序

配置、事業等の実施、1号と2・3号の両方の状況、市町村への確認の順に進めます。

  1. 主幹保育教諭等と代替保育教諭等の配置を確かめる

    主幹保育教諭等1人が専任できる体制か、代替が常勤1名と非常勤1名か、勤務表で確かめます。主幹保育教諭等のクラス担当の兼務が1月を超えていないかも見ます。

  2. 複数の事業等の実施を確かめる

    通知に列挙された事業等を複数実施しているかを確かめます。一般型一時預かりと障害児の教育・保育は、認定こども園全体で行えば1号・2・3号の双方で実施とみなされます。

  3. 療育支援加算①を申請する場合は、両方の区分の状況を見る

    1号と2・3号のどちらかが調整を受けると、①は両方とも算定できません。申請の前に、両方の区分で調整を受けないかを確かめます。

  4. 他の加算は、代替の配置と基本分の職員数で確かめる

    チーム保育加配加算などは、No.132の2つ目の条件(基本分単価の職員数の充足と追加分の配置)を満たすかを確かめます。

  5. 自園の扱いを市町村に確認する

    調整の適用や加算の認定は、施設が所在する市町村が行います。個別の園の扱いは、市町村に確認してください。

この記事は、公定価格FAQ(第32版、令和8年7月24日時点)のNo.114・129・132・133・370と、留意事項通知の認定こども園の加減調整部分および療育支援加算の記載の整理です。調整額や加算額の具体的な金額は、この記事では示していません。

調整の適用や加算の算定可否は、施設が所在する市町村の認定で決まります。自園の扱いは、所轄の市町村に確認してください。

よくある質問

療育支援加算が取れるか、他の加算はどうか、調整はどの区分にかかるかが、よく聞かれる3点です。

1号だけ専任化の調整を受けている場合、2・3号の療育支援加算(補助する者)は算定できますか。

No.370では、①の適用の有無は認定こども園全体を通じて行われるため、1号と2・3号のどちらか片方が調整を受けるときは、両方とも算定できないとされています。

専任化の調整を受けていると、チーム保育加配加算など他の加算も取れませんか。

No.132では、専任代替教諭等の配置が行われていれば、専任化や複数事業をしていないことをもって加算を取得できなくなることはないとされています。代替が配置されていない場合も、基本分単価の職員数を満たすことが確認でき、追加分の配置があれば、その分の加算は算定できるとされています。

代替保育教諭等を非常勤2人にした場合、調整はどうなりますか。

No.114では、通知が求める常勤1名と非常勤1名のうち、常勤職員1人の配置が満たされないため、その常勤職員分の減算調整のみが適用されるとされています。

次に知りたいこと:専任化の対象職種と、療育支援加算の取組

次に知りたいこと:主幹教諭等専任加算の対象職種と兼務の扱い、療育支援加算の取組が一部できないときの要件の判断、配置系の加算5種の比較。

療育支援加算の認定済みの区分を選んで、加算額を確認できます。

結果には計算過程、使った告示・通知、確認日、そしてこの試算に含まれていない項目を必ず表示します。

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ほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧

  • 試算前の確認事項の一覧

    この記事の「つまずきやすい確認事項」1件を、ほかの記事の確認事項と対処とあわせて見られます。

この記事が参照した一次資料

ほかの解説

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