解説

幼稚園の主幹教諭等専任加算の要件:代替教員の配置と、複数実施する8つの事業等・市町村の認定

幼稚園(教育標準時間認定1号)の主幹教諭等専任加算について、留意事項通知の別紙1が定める要件(必要教員数を超える代替教員の配置と、預かり保育・満3歳児・障害児・小学校との接続など8つの事業等の複数実施)と、市町村の認定・申請の事項、要件に合わなくなったときの扱いを整理します。

要件は「必要教員数を超える代替教員の配置」と「8つの事業等の複数実施」

幼稚園(教育標準時間認定1号)の主幹教諭等専任加算は、留意事項通知の別紙1のⅥ「特定加算部分」の1に定められています。

主幹教諭等を指導計画の立案や地域の子育て支援活動などに専任させるため、代替教員を置き、決められた事業等を複数実施する施設に加算するという作りです。

別紙1が求める要件の構成(通知の記述を整理)
要件通知の記述
専任の対象学校教育法第27条の副園長、教頭、主幹教諭、指導教諭(まとめて「主幹教諭等」)
代替教員の配置基本分単価や他の加算の認定で求められる「必要教員数」を超えて、代替教員(非常勤講師等)を配置する
事業等の実施通知が挙げる事業等(ⅰ〜ⅷ)を複数実施する
兼務の扱い主幹教諭等が学級担任を兼務することは適切ではない。代理で行う場合でも、1月を超えて兼務が続くと加算は適用されない

代替教員は、必要教員数を超えて置く人員です。

通知は、基本分単価や他の加算の認定で求められる必要教員数を超えて配置することを求めています。

8つの事業等の一覧(通知のⅰ〜ⅷ)

通知は、複数実施する対象の事業等を8つ挙げています。

自園が実施しているものが、どれに当たるかを先に表にします。

主幹教諭等専任加算の事業等(別紙1 Ⅵ 1(1))
号事業等通知が付けている条件
ⅰ幼稚園型一時預かり事業(私学助成の預かり保育推進事業などによる預かり保育を含む)子ども・子育て支援交付金の交付要件に適合し、月の平均対象子どもが1人以上
ⅱ一般型一時預かり事業、私学助成の子育て支援活動の推進などによる未就園児の保育、幼稚園型一時預かり事業による非在園児の預かり交付要件に適合し、月の平均対象子どもが1人以上(一般型一時預かり事業の場合)
ⅲ満3歳児に対する教育・保育の提供月の初日に満3歳児が1人以上利用している月から、年度を通じて要件を満たす扱い
ⅳ障害児(軽度障害児を含む)に対する教育・保育の提供月の初日に障害児が1人以上利用している月から、年度を通じて要件を満たす扱い。市町村が認める障害児で、手帳の有無は問わない
ⅴ継続的な小学校との連携・接続に係る取組業務分掌の明確化、交流活動の年度を通じた複数回の実施、5歳児から小学校1年生の2年間のカリキュラムの編成・実施の3つを満たす
ⅵ教育委員会や幼児教育センター、幼児教育アドバイザーなどと連携した園内研修園内研修を企画・実施していること
ⅶ災害等で教育・保育を提供できない場合の、エッセンシャルワーカーである保護者への対応の取組緊急時の対応の手順や役割分担、避難訓練計画などのマニュアル等の整備と、原則月1回の研修・訓練の実施
ⅷ乳児等通園支援事業(児童福祉法第6条の3第23項に基づく事業)通知は事業名と根拠条文のみを挙げている

ⅱの「月の平均対象子どもが1人以上」の条件は、通知では一般型一時預かり事業に付いています。私学助成の事業などとの関係は、通知の文言をそのまま確認してください。

乳児等通園支援事業を数えるときの利用実績の扱いは、乳児等通園支援事業を加算の「事業等の実施」に数えるとき利用実績は要るか(公定価格FAQ No.287)で整理しています。

年度の途中から始めるときの数え方(4月に満たすとみなす場合)

通知は、年度当初から取組を始める場合に、5月の時点で要件を満たしていれば4月から満たしているとみなす扱いを置いています。

この扱いが書かれているのは、一時預かり事業(ⅰ・ⅱ)と、小学校との連携・接続(ⅴ)です。

  1. 一時預かり事業(ⅰ・ⅱ)

    年度当初から始める場合は5月に要件を満たしていれば、4月から満たしている扱い。要件を満たした月以降は、同一年度に限り、事業を実施する体制が取られていれば満たしている扱いです。

  2. 満3歳児・障害児(ⅲ・ⅳ)

    月の初日に1人以上が利用している月から、年度を通じて満たしている扱いです。

  3. 小学校との連携・接続(ⅴ)

    年度当初から始める場合は、5月に計画で3つの要件を満たしていれば、4月から年度を通じて満たしている扱いです。

通知は「複数実施する」と書いています。

実施している事業等の数や、組み合わせの数え方で迷うときは、認定する市町村に確認してください。

認定は市町村が行う:申請に載せる事項と、要件に合わなくなったとき

加算の認定は、施設が所在する市町村が行います。

通知は、設置者から次の事項を添えた申請を徴して確認することとしています。

  1. 申請に載せる事項を揃える

    施設名、加算の適用年月、ⅰ〜ⅷの事業等の実施状況を用意します。ⅶで数える場合は、緊急時の対応に関するマニュアル等も添えます。

  2. 市町村が確認して認定する

    市町村は、申請の内容をもとに、要件を満たすかを確認して認定します。

  3. 認定後も要件を保つ

    市町村は、申請や指導監査等を通じて状況を把握します。

  4. 合わなくなった月の扱いを知っておく

    要件に適合しなくなった日の属する月の翌月から、加算は適用されません。月の初日に適合しなくなった場合は、その月から適用されません。

学級担任を兼ねる状態が1月を超えて続くと、加算は適用されない

通知は、主幹教諭等が学級担任を兼務することは適切ではないとし、代理で行う場合でも、兼務が1月を超えて継続していれば加算は適用されないと書いています。

担任が長く休むなどで代理が続きそうなときは、代理の期間を勤務表に残し、早めに市町村へ相談します。専任の間に認められる仕事の範囲は、公定価格FAQのNo.55・57の記事も参照してください。

同じ施設で関係する加算:子育て支援活動費加算と療育支援加算

主幹教諭等専任加算は、ほかの2つの加算の前提にもなっています。

加算を並べて検討するときは、次の対応で整理できます。

主幹教諭等専任加算の対象施設が対象になる加算(別紙1 Ⅵ)
加算通知が置いている条件の要点
子育て支援活動費加算(⑳)主幹教諭等専任加算の対象施設で、保護者や地域住民からの育児相談、地域の子育て支援活動等に取り組んでいる場合に加算する
療育支援加算の主幹教諭等を補助する者を配置する場合(㉑の①)主幹教諭等専任加算の対象施設で、主幹教諭等を補助する者を配置し、関係機関と連携して支援を充実させる場合に加算する。障害児が利用していることなど、療育支援加算そのものの要件も別に満たす必要がある

子育て支援活動費加算も、認定は施設が所在する市町村が行います。

療育支援加算の認定の確認は療育支援加算とは?対象・要件・区分A〜D・認定の確認(令和8年度)の記事で扱っています。

自園で確かめる順番

先に代替教員の配置を確かめ、次に事業等を当てはめます。

  1. 専任にする職員を決める

    副園長、教頭、主幹教諭、指導教諭のうち、誰を専任にするかを決めます。

  2. 代替教員の配置を確認する

    基本分単価や他の加算で求められる必要教員数を超えて、非常勤講師等を置いているかを勤務表で確かめます。

  3. 8つの事業等を当てはめる

    自園が実施しているものを表に当てはめ、複数あるかを確かめます。

  4. 市町村の申請様式を取り寄せる

    申請に必要な添付書類と、提出の時期を市町村に確認します。

よくある質問

この加算で、よく聞かれる3点です。

預かり保育を実施していれば、それだけで主幹教諭等専任加算の事業等の要件を満たしますか。

通知は「事業等を複数実施する施設」に加算するとしています。預かり保育(ⅰ)は事業等の1つとして数えられますが、それだけでは足りず、ほかの事業等との組み合わせが要ります。

障害児の診断書がない場合は、ⅳに数えられませんか。

通知の注は、市町村が認める障害児とし、身体障害者手帳等の交付の有無は問わないとしています。診断書のほか、巡回支援専門員など専門的知見を有する者の意見提出など、障害の事実が分かる資料で確認して差し支えないとしています。

主幹教諭が学級担任の代理を数日したら、加算は外れますか。

通知は、代理で行う場合でも、兼務が1月を超えて継続していれば加算は適用されないとしています。1月を超えなければ、この文言で加算が適用されなくなるわけではありませんが、通知は担任の兼務自体を適切ではないとしています。個別の勤務が該当するかは、市町村に確認してください。

次に読む記事

専任の職種と兼務の範囲、事業等の数え方、基本分単価の読み方は別の記事で整理しています。専任にできる職種と兼務の範囲は主幹教諭等専任加算の対象は主幹教諭だけか、学級担任の兼務はできるか(公定価格FAQ No.55・57)、地域の子育て支援活動の中身は主任保育士専任加算・主幹教諭等専任加算の「地域の子育て支援活動等に積極的に取り組むこと」の要件、幼稚園の単価表の読み方は幼稚園の令和8年度基本分単価表の読み方、小学校との連携・接続の加算は小学校接続加算の確認事項です。

自園の条件で試算する

利用定員を入力して、公定価格の基本分を確認できます。

結果には計算過程、使った告示・通知、確認日、そしてこの試算に含まれていない項目を必ず表示します。

公定価格の試算を開く

この記事は、留意事項通知の別紙1(幼稚園(教育標準時間認定1号))のⅥ「特定加算部分」の1・2・3の文言を整理したものです。個別の園が加算の対象になるかを判定するものではありません。

認定こども園の主幹保育教諭等専任加算は別紙の定めが異なる場合があるため、この記事では扱っていません。最終的な判断は、所轄の市町村に確認してください。

ほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧

  • 試算前の確認事項の一覧

    この記事の「つまずきやすい確認事項」1件を、ほかの記事の確認事項と対処とあわせて見られます。

この記事が参照した一次資料

ほかの解説

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