交流する日は、保育所と児童発達支援事業所の基準を両方満たす
保育所に児童発達支援事業所が併設されているとき、令和5年4月1日から、両方の子どもが同じ保育室で過ごす交流ができるようになりました。令和4年12月26日の事務連絡『保育所等におけるインクルーシブ保育に関する留意事項等について』が、その運用を示しています。
交流するには、人員は保育所と児童発達支援事業所のそれぞれの基準を満たし、面積は両方の基準の合計を確保することが条件です。保育所の利用児童の保育に支障が生じない場合に限られます。
それまでは、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の第8条により、併設施設の間で、子どもの居室、各施設に特有の設備、子どもの保護に直接従事する職員を兼ねることができませんでした。事務連絡は、必要な保育士や面積があっても、両方の子どもを保育所の保育室で一緒に保育することは認められなかったと説明しています。第8条そのものの読み方は保育所が他の社会福祉施設を併設するときの設備・職員の兼用で扱っています。
人員と面積は、事務連絡の例のように別々に数えて合計する
事務連絡は、人員と面積の確かめ方を例で示しています。
保育所の分と児童発達支援事業所の分を、それぞれの対象の子どもの年齢と人数で計算し、人員は両方を満たし、面積は合計を確保します。
| 確かめるもの | 事務連絡の例 | 考え方 |
|---|---|---|
| 保育士の人数 | 保育所の満3歳児が、併設の児童発達支援事業所の障害児と交流する場合、保育所の満3歳児の人数で決まる保育士数と、児童発達支援事業所の障害児の人数で決まる保育士数の、両方 | 一方の保育士で、もう一方の基準を満たしたことにはしない |
| 交流する保育室の面積 | 保育所として30平方メートル、児童発達支援事業所として20平方メートルが必要なら、保育室は50平方メートル以上 | それぞれの面積基準で必要な面積を合計する |
表の面積は、事務連絡が説明のために置いた例です。自園の必要な保育士数や面積は、子どもの年齢と人数、所在の自治体の条例で決まります。保育室の面積の数え方は保育室の面積の数え方で確かめてください。
交流のねらいは、児童発達支援計画に書いて保護者の同意を得る
保育所の側の保育士と児童発達支援事業所の側の職員が混ざって支援すること、たとえば設定遊びで子どもが一緒に過ごすことは、この改正で可能になりました。
ただし、障害児の支援に支障がない場合に限られ、事務連絡はそのための留意点を挙げています。
児童発達支援計画に書く
保育所等との交流の具体的なねらいと支援内容を児童発達支援計画に書き、障害児またはその保護者に説明して同意を得ます。
発達支援の時間を確保する
障害児一人ひとりの児童発達支援計画を考慮し、1日の活動の中で発達支援の時間が十分に確保されるようにします。
障害の特性と安全に配慮する
複数のグループに分かれる交流や、一部の障害児だけが参加する交流も想定されます。障害特性や情緒面への配慮、安全が十分に確保される体制を整えます。
保育士も交えて活動を決める
交流の活動は、障害児の特性や発達の段階の共通理解を図った上で設定します。交流する保育所の保育士等も交えて検討することが望ましいとされています。
計画に書かないまま、毎日の流れで交流を始めない
児童発達支援計画への記載と保護者の同意は、事務連絡が挙げる最初の留意点です。保育所の都合だけで日課に交流を組み込むと、この前提を欠きます。
交流を始める前に、児童発達支援事業所の担当者と、計画への記載と保護者への説明の手順を決めておきます。
公定価格は、交流する障害児の分を足さずに算定する
事務連絡は、運営費の公定価格上の算定方法も示しています。
保育所が児童発達支援事業所の障害児と交流する場合、公定価格は、あくまで交流しているものと整理し、保育所には元々の利用児童数の分だけを算定します。
事務連絡に基本分単価や加算ごとの記載はありませんが、この記事の試算の考え方としては、交流する障害児を保育所の児童数に加えません。
このサイトの試算では、利用定員や年齢別の園児数に、併設の児童発達支援事業所を利用する子どもを入れない扱いにしています。障害のある子どもを保育所として受け入れている場合の加算は、別に療育支援加算の認定の確認で確かめます。
一時預かり・病児保育・地域子育て支援拠点との併設も、同じ要件に準じる
事務連絡は、児童発達支援事業所以外の併設も扱っています。
保育所の対象である乳幼児を通所で預かる一時預かり事業、病児保育事業、地域子育て支援拠点事業の施設と併設するときも、児童発達支援事業所と同じ要件に準じた要件を満たせば、保育に支障がない場合として扱ってよいとされています。
対象になる併設先
児童発達支援事業所、児童発達支援センター、一時預かり事業、病児保育事業、地域子育て支援拠点事業を行う施設です。
共用・兼務できるものの一覧
どの設備や職員を共用・兼務できるかは、事務連絡の別紙の参考にまとまっています。この記事では扱わないため、原文で確かめてください。
放課後児童クラブなど、ほかの併設
事務連絡は、ほかの施設との併設・交流の考え方を「地域の実情に合った総合的な福祉サービスの提供に向けたガイドライン(改訂版)」(令和4年6月)で確認するよう求めています。
補助金などを受けて整備した保育所を他の用途にも使うときは、財産処分の手続が要るかどうかも確かめます。事務連絡は、本来の事業目的に支障を及ぼさない範囲の使用は一時使用に当たる場合があり、その場合は手続が不要になると説明しています。手続の全体像は補助を受けて整備した保育所の財産処分の承認にあります。
よくある質問
- 保育所の保育士が人数に余裕があれば、児童発達支援事業所の子どもも一緒に見てよいですか。
保育所の分と児童発達支援事業所の分の人員基準を、それぞれ満たすことが条件です。事務連絡の例では、保育所の基準と児童発達支援事業所の基準の保育士数を、それぞれ満たすことが求められています。
- 交流する障害児の分も、公定価格に含められますか。
事務連絡は、交流しているものと整理し、保育所には元々の利用児童数の分だけを算定するとしています。交流する障害児の分は、保育所の算定に加えない扱いです。
- この取扱いは、すべての自治体で同じですか。
事務連絡は国の取扱いを示すもので、実際の運用は所在の都道府県・市町村の保育担当部局と、児童発達支援を担当する課が案内します。条例の面積基準は自治体によって異なる場合があるため、計画の前に両方の窓口へ確認してください。
自園の条件で試算する
保育所の定員と年齢別の園児数を入力すると、公定価格の基本分単価を試算します。併設の児童発達支援事業所を利用する子どもは、入力に含めない扱いです。
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